[Substitute]松根油?

太平洋戦争中に旧日本軍が開発していたものに「松根油」というものがあります。
多くは航空機用ガソリンの代用を目的とされ、オクタン価は90を越す優秀なものでしたが、大量生産を実現する前に終戦となり、そのまま消えていったようです。
ただ石油の枯渇が話題になりだしている現在、60年も前に研究されていたものがなぜピックアップされないのか?



調べて見ると製造法はこのようなものだったようです。

1.掘り出した松根から釜を使って油分を300度に加熱して蒸留部分を取り出す。
2.これに硫化モリブデン触媒で接触分解して基油を作る。
3.最後に基油70%、ヘキサン27%、ベンゾール3%、四エチル鉛0.15%の割合で混合して完成。

・・・とまあ工程3つで簡単に書いてありますが、問題は山積みだったようで、掘り出した松根の重量に対してとれる油はわずか5%。
とても費用対効果が出るものではなかったようです。
さらに酸化安定度が小さいので製造後3日ほどでガム状の物質が増加するとの事。現に戦後米陸軍がジープにこの燃料を入れたところ、たちまち燃料系が詰まってしまったとの事。
もう一つ書くと、最終工程で混合する物質の内、四エチル鉛は現在では有害物質とされているようです。もちろん当時はそんな事知りもしなかったのかもしれませんが。



少なくとも「費用対効果」の面で「代用燃料として21世紀に復活!」というわけにはいかないようです。


あとは・・・ナチス時代のドイツで製造されていたじゃが芋ベースのアルコール燃料(ロケット燃料)か・・・
・・・って芋焼酎で飛んでいたのですか!?V2ロケットは!?


そういえばインディカーレースで使われているエタノール燃料のエンジンを「アルコールエンジン」とは呼びませんねぇ。
まあこれだと単なる「酔っ払い」だからなんでしょうが・・・